裁判傍聴ブログ

旭川地裁を中心に裁判傍聴記を書いています

逃げようとするから罪が重くなる:中国人ドライバー道路運転過失致傷

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中国人の料理人であり運転初心者

体格の好い被告は中国出身の料理人で、45歳。本土で17年料理人をやり、平成23年に日本に来る。数年自分の店?を経営していたようですが、日本でも料理で身を立てていたようです。

ちょっとわからなかったのは、被告はバツイチで、子供が2人いるとのこと。それは中国にいるらしいのですが、被告の収入で生活している人がいるようで、いないようで。

 

被告が交通事故を起こしたのは平成27年ですから、4年前のことです。富良野で店を出すという友達のところに、まだ買ったばかりの名義も変更していない車で向かいます。そして、途中、東川の道路の交差点を無視。青信号で侵入した61歳男性の車と接触し、全治6日間の怪我を負わせてしまいます。

 

それで、4年間も、何でかかるの?

 

と思いました。うーん、外国人だからって、いくらなんでも交通事故のたびに4年もかかるわけではないでしょう。謎です。そして、謎がさらに深まるような弁護士の発言。

「先に被告人質問よろしいでしょうか?その後に証人というほうが流れがいいので」

これもイレギュラーです。普通は証人に質問して、その後に被告人質問です。

 

検察官がいろいろ攻めます

「信号は見てたの?」「見ていない」「なぜ見なかった?」「初級者だったし、小雨が降っていたし、罰金を払いたくなかった」「だから、信号見ていたって嘘ついてたの?」「はい」「謝罪はした?」「手紙を書いて弁護士に渡した」「治療費と車の修理代は払った?」「今後払う」「どうやって?」「まず、いくらになるかわからない」「保険会社から請求はあったでしょ?」「ない」

 

どうやら、4年間逃げまくっていたようです。自白に転じたのは、今の職場の上司のおかげ。その上司が証人として呼ばれました。

 

被告は現在1年契約で中華料理店で働いており、証人はそこのフロアマネージャー?のような存在らしいです。被告との契約は10月に切れるらしいのですが、その後も可能であれば雇う気はあるとのこと。

検察からの出頭要請を無視している被告を諌めた常識人です。日本語もかなりのレベルでした。

ただ、契約するにも、入国管理局からの回答まちという状態らしく「この裁判の結果がでたら、すぐに教えてくれ」と言われているらしいです。なぜなら、被告の在留期限は4日後の3月29日まで。

 

ギリギリ!!

 

最後に検察の求刑「これまで被告は長期間、被害者に責任を負わせてきました・・・・罰金50万」

被害者はとっくに怪我も治ってるだろうし、車は保険会社(任意保険の会社が両方とも同じ会社だった)からの保険金で治っているでしょう。ですが、これ、金の問題じゃないんじゃないでしょうか。

中国人だろうが、何人だろうが、被害者が欲しかったのは誠意だとおもいます。いまだ、被害者の処罰感情は高く、被告が反省し、謝罪することを求めているはず。

1日8時間、週6日働く被告の給料から、罰金を支払うのは可能でしょう。なんてったってたったの50万ですから。

でも、きっと、逃げようとするんだろうなあ・・・在留期限がすぎるのをじっと待ってる感ありありです。

そんな被告の思い通りにはさせないぞ!と佐藤裁判長が即時判決。この後民事の裁判が入っている弁護士のスケジュール調整して、4時50分から判決にはいります。ってところで終了。用事があったので判決までは聞けませんでしたが、逃げまくった被告の結果がろくでもないことになるのは確実でしょう。

 

www.shinginza.comより

 

在留資格の更新手続きにおいて、前科が影響することになりますが、前科の内容と、在留資格の種類と従前のビザ更新の経緯が問題になります。ビザ更新の場面においても、入管法の退去強制事由に準ずる基準が適用されておりますが、具体的事例において、罰金刑でも更新許可されなかった事例もありますので、注意が必要です。

大麻は怖いよ


大麻取締法違反はありふれていて、それでいてカラッと明るいのが良いところです。

被告は大きな犯罪を犯したという雰囲気はなく、すいませーん!って感じの裁判になります。

依存症とかもそんなに重くはないのでしょう、ただ、それと法律の世界は無関係で、大麻取締法があるから、大麻を吸うことは悪いことなのです。

今回の被告も、そんなに罪の意識はなかったのでしょう。ですが、支払った代償はとても大きなものでした。

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ゲートウェイドラッグとして危険な大麻

 

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体格の好い若者

被告は24歳、大麻を吸い始めたのは去年の10月。それから3ヶ月でスピード逮捕です。母親と2人ぐらしで、ちゃんと仕事をしています。

北海道の大麻事件は、大体自分で探しに行ったり、栽培したりして、すんごい量が証拠として出てくることが多いのですが、この被告は本当に友達からもらっただけの少なさでした。

母親との関係も良好で、介護職の母親は息子が逮捕された後、仕事を休み毎日面会に行ってます。そのことに被告も心が動いたのか、そもそも大麻なんて罪とも思っていなかったのか、大麻を勧めてくれた少年時代からの友人の名前を出します。

「普通、こうゆう事件では名前は出さないのが多いけど、どうして?」と弁護士が聞くと「悪いこととして、罪を償うべきだと思いました」

ああ、この被告は運が悪かった人なんだなあ・・と思います。大麻は悪いことですが、その罪を認めて、友達の名前を喋ったのです。

被告が失う人間関係は、きっと私達の想像よりも重いものだと思います。

田舎の、子供の頃からの、友達を失うって大変です。

街であったら、喧嘩になるでしょう。

楽しかった思い出は、自分を苦しめる毒へと変わります。

味方なんていなくなるかもしれません。

でも、かっこいいなと思いました。

 

来週の旭川地裁2019/3/25〜

月曜日3/25

1330 覚せい剤取締法違反

1430 大麻取締法違反

1500 過失運転致死傷

1600 窃盗恐喝未遂

火曜日3/26

1320 今日の覚醒剤道路交通法判決

木曜日3/28

1000 覚醒剤

1310 覚醒剤

 

金曜日3/29

950 今日の重機窃盗判決

 

薬物やるなら酒を飲め!覚醒剤取締法違反&道路交通法違反

裁判では証人として被告の親が出てくることがあります。

被告は38歳、覚醒剤と飲酒運転の裁判でした。

証人として70歳ぐらいの父親が出てきたのですが、被告とは毎日のように顔を合わせていて、薬をやっていたことも薄々気づいていたとのこと。

そこで「薬物やるなら酒を飲め!」と被告にアドバイスしたらしいです。

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飲酒運転

被告は実家の近くの家、50mほど離れたところで生活しています。

家族はおらず、子供が1人。建築関係で働いていましたが、免許取り消しで1200日ほど。

29歳の頃から、同僚に進められて覚醒剤をやり始めます。すでに100回以上はやったとのこと。

「嫌なことがあったら、やってしまった」と覚醒剤を使い続けましたが、絶対ジャンキーになってるぞ。

これからは強い意思でやめます!ということでしたが「どうやって?」と裁判長のツッコミに「スポーツとかやります!」

それぐらいでやめられるなら、きっと違法になってないよね・・・

と思いました。

 

 

んで、覚醒剤で捕まる前に、連続して飲酒運転で捕まってます。その前にも物損事故を起こして逃げて、呼気から酒。でも、これは、家に帰ったあとで飲んだもの!という主張ですが、どうなのでしょう?以前にも、そんな事件を傍聴したことが有ります。車も無保険だったとか。

被告にとって飲酒運転は大した事無いションベン刑だと思っているのでしょうか?

「酒は今後、飲む?」という質問に「はい」と正直に答えています。免許もまた取得する予定だとか。

怖いな、と思いました。自分の後ろの車が、被告のような飲酒&ドラッグ&無保険人間だったら。それはもう暴力みたいなものでしょう。

検察の求刑は1年8月。いちおう初犯ですから、執行猶予がつくのは間違いないでしょう。運転中は、つねに周りに、被告のような人間がいると思ったほうが、安全運転になると思いました。