裁判傍聴ブログ

旭川地裁を中心に裁判傍聴記を書いています

【熊のエサにすんぞ!】紋別市の職員による加重収賄容疑の裁判【収賄については否認】

裁判所に行く途中で警察のバン(日産ADの地味な色、赤色灯でわかる)が通りがかりました。

「お、今日は(身柄)拘束か、なんだろ」

とワクワクしながら旭川地裁へ。するとこんな張り紙がありました。

 

「この裁判ではテレビ撮影が最初に入りますので、傍聴されるかたで映りたくない方は一時退席をおねがいします。」

 

おお!テレビがはいるんだ!といっても裁判官の顔を数秒映すだけの絵ですけど、これはでっかい裁判なんだろうと感じます。

それに記者の数がすごい!最終的には15人くらいが傍聴席にいました。ただの傍聴人なんて私ぐらいしかいなかったのではないでしょうか。記者のトークや持ってる資料、そしてメモの取り方まで観察でき勉強になりました。

 

さて、どんな事件かというと、こんな事件です

www.sankei.com

 

エゾシカのわなの設置で、特定の業者にゴリ押ししたんです。被告人は紋別市の産業農政林務課にいてエゾシカの罠について詳しく、他に適任者がいなかったので被告人の意見が通りやすい立場にいました。

 

平成25年に98万の収賄、その後もエゾシカの罠に関する作業のたび10万程度の収入をゲットしていたことがわかります。

 

こんな事件でこんなに記者が集まるの?とおもったらおまけがつきました。暴行です。

 

夜7時に山に連れて行かれ「熊のエサにするぞ!」といわれる

この事件は複数の犯罪行為がミックスされていて、賄賂のほかには暴行があります。被告は賄賂のことは否認していますが、暴行については認めています。

それは夜7時ノムラという男を公用車で山に連れて行き、左胸を3発殴ってこういったのです

「おう、お前なんつった?熊のエサにするって言ったよな?ぜったい殺すから、銃つんでないっていったけど、積んでるから!」

土下座も強要されているノムラは命の危険を感じ、ボイスレコーダーで上記の台詞を録音しました。被告は60前の年齢を感じさせない体の大きい男です。怖かっただろうなあ・・・

 

被告の経歴

大学を中退してパチンコ店に勤務、その後紋別市役所にはいり、鳥獣対策では実績のある被告。あっせんした業者を使うことを職員にゴリ押ししていたのも目に浮かぶよう。

 

顔つきが只者じゃないんです。この体躯といかつい顔で、ほとんどの職員を掌握していたことが検事の甲号証(警察が調べた証拠)で分かります。

 

「いまから競争入札しても間に合わないから!この業者使うことにしたから!」

とか

 

「罠を購入する予算しかでないから、人扶代は便宜でたのむ」

 

とか

 

検事の口から被告のやりたい放題at紋別市役所ワールドが語られます。いやあでるわでるわ、この裁判は2時間ほどあったのですが、そのうち1時間30分は検事の証拠を読む時間だったと思います。

最終的に150近くなった甲号証、それに被告の自白である乙号証をくわえて、書類の束は50cmにはなったでしょう。持ち上げるときヒジまでありました。

 

じゃあ、被告はなぜ否認しているのでしょうか?そこらへんに役場の闇をみることができます。

 

予算がおおざっぱすぎ

被告は最初の98万を賄賂として受け取っています。これは間違いない。業者に「これからいい目にあわせてやるから」と言っているからです。

それ以外にも10万単位でちょこちょこつまんでいるのですが、それに関しては否認。なぜかというと予算の関係上自分でバイト代を支払ったということ。

紋別市に限らず役場で何かが必要となり、その予算を通すというのは大変なエネルギーが必要です。エゾシカの罠の購入には予算が下りているけど、その管理には予算がないのです。

そこで課長決済でできる30万を上限になんどか業者を通して請求をして、その中から自分で呼んだ人間のバイト代、自分のスノーモービルなどを充てたということ。筋は通ってます。

 

きっと日本中でよくある話

紋別市役所には被告以外に罠に詳しい人間はいなくて

「鹿の罠ってどーすんの?その維持管理ってなにやんの?」

って状態のようです(勉強しろよと思いますが)。被告は鹿の罠に関するセクションから移動してますが、課長から「頼むからやってよ」と口頭で継続してほしい胸を打診してます。テキトーだなあ。

予算がテキトーなのもよくある話なのでしょう。きっちりかっちりやってしまうと、うまく仕事が回らないのはどこでもいっしょ。日本中でよくある話なのです。

言ってしまえば数十万のつまみ食いなんてそこらじゅうでやっていることをわれわれは知っています。

ただ、この事件が発覚したのが林業シンコウ係のノムラが

「殺される!」

ボイスレコーダーで録音したのが始まりでしょう。ノムラが証言する回だけは追いかけてみようと思います。

 

この裁判の今後の予定

さて、100以上の証拠と8人の証言を予定しているこの裁判。もちろん長期にわたります。

 

2 6/8 1310 ノロタ、マツダ

3 6/18 1330 モトハシ

4 7/5 1310 サトウ

5 8/30 1330 ノムラ、タケナカ

6 8/31 1330 被告人質問

7 9/6 1330 モトハシ、オオツキ

8 10/5 1310 サトウ、サカイ

9 10/15 1330 被告人質問

 

とりあえず決定しているのはここまで。

このたびに税金を使って紋別からやってくるのです。肩入れした業者もいます、被告の妻もいます。

200万も行かないつまみ食いに対して、いったいどれほどのエネルギーと時間が割かれるのか?はあ、たいへんだなあ・・とただの傍聴人は思いました。

証拠の中には被告と妻が四国に旅行に行った記録まであり、そんなことまで調べ上げる徒労にため息がでました。

それほど収賄というのは大変なことなのです。

被告がかかわった計画

https://mombetsu.jp/soshiki/sangyo/nousei/files/higaibousikeikakudai2hann.pdf

紋別市の声明

市職員の不祥事について(お詫び)|組織|紋別市

職員の再逮捕について|組織|紋別市

似顔絵

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事件的にはあまり興味がわきません。ノムラと被告人質問だけ傍聴できればする予定です。